label start: # Did she tell us her family history? $ family_history = False # Did we decide to meet again? $ meet_again = False $ renpy.clear_game_runtime() play music 'waves.ogg' scene beach1 title with dissolve scene beach1 with slowdissolve "それは大学に通い始める前の夏のことだった。 2年間、勉強に明け暮れ、テストの毎日。大学入試の準備。" "そしていまやっと、ちょっと息をつく時間ができた。だから、アメリカをちょっと旅してみようと考えたんだ。" "でも金欠だったから、思い描いてた旅は実行できなかった。結局、叔父と叔母の家でひと夏を過ごすことになったんだ。その家は、北砂島というところにあった。" "北砂島は大西洋上に位置していた。かなり離れているので、橋を渡って行くことは不可能。船も、1日に数回しか出ていなかったんだ。" "そんな小さな島だったから、することなんて何も無かった。でも、ゆっくりと過ぎていく時間に身を任せるのも悪くは無かった。" "島にいる間、自分のデジタルカメラで色々写真を撮ったんだ。 それは、満月の夜だった。その月を是非カメラに収めようと思っていた。" "だから、ちょうど月が現れる頃に浜に行ったんだ。 カメラを三脚に乗せ、準備は整全て整った。シャッタースピードの調整もばっちり。" "数秒ごとに、リモート機能を使って月の昇っていく過程を撮影した。月が海に反映していた。." "地平線から月が出てくるまで数分もかからなかった。じっくりと撮影を行ったんだ。" "そして、撮影も終わったので、カメラや三脚の片付けを始めた。そろそろ叔父の家に帰らなければいけない時間だったからね。" scene beach1 mary with dissolve "そのときだった。彼女を見たのは。浜辺の向こうから、誰かが歩いてくるのが見えたんだ。" "遠くから見た感じ、女性らしかった。白く長いドレスを着ていた。でも、遠かったから、それ以上のことはわからなかった。" "誰だろう?と思い、もうちょっとそこにいようと思った。この辺で人はずっと見ていなかった。こんな夜中に浜辺を歩いているなんて。" "もう遅い時間だし、皆すでに家に帰っているか、町に遊びにいっているかだ。一人でいるなんておかしいな。" "星の観察や衛星を眺めるために浜に出てくる人はいるかもしれないけれど。" "そういう人達は上を眺めながら、座っているだけだ。 でも、その女性はうつむきながら、ただ前へと歩いていた。" "色々な想像が頭を駆け巡った。きっと、彼女は何かの病気で、昼間外に出ることができないのではないか。それとも、浜辺に埋まった宝物でも探しているのかな。" "でもすぐに、そんなことはきっとないだろう、と思った。" "彼女は少しづつ海に向かってゆっくり歩いていった。僕はそれをずっと眺めていた。あんなにのろのろ動いているのだから、運動しているわけでもなさそうだ。一体何をしているのだろう?" "そうしているうちに、だんだんカメラ越しに彼女の姿がはっきり見えてきた。" "とても美しい女性だった。僕と同じくらいの年だろうか。1,2歳くらいの年の差があるかもしれない。スタイルがとてもよかった。" "彼女の肌は輝いていて、ちょっと青白かった。髪の色は明るく、彼女の着ている白い服と同じくらい明るい色だった。" "青白い肌、明るい髪、真っ白なドレスを着た彼女は、月光の下で輝いているように見えた。" "まだまだ距離があったから、彼女はまだ僕に気がついていないだろう。僕が取った行動は" menu menu_1: "彼女の写真を撮りたい。": jump take_her_picture "彼女と話がしてみたい。": jump talk_to_her label take_her_picture: "カメラマンとして、こんな美しいシーンを撮らずにはいられなかった。カメラの準備をはじめた。" "僕の存在は気付かれないようにしていた。ポーズをとっていない、自然体の人々を撮るのがすきなんだ。ポーズをとってしまうと、なんとなく意識的になってしまうからね。" "カメラを自動に設定し、フレームに収め、シャッターを押した。カメラは撮影音を放った。" "これを12回ほど繰り返した。これだけ撮れば、この中の1つや2つはキレイに撮れているだろうからね。" "撮影が終わった時、カメラを下にさげ、彼女に向かって手を振った。" "数秒後、彼女も僕に気付き、手を振り返してくれた。" "でも彼女は話しかけるにはまだまだ遠すぎた。大きな声を出しても、波の音にかき消されてしまうだろう。" "ケースの中にカメラをしまい、三脚をかついだ。そして、叔父の家に帰る支度をはじめた。" stop music play sound 'click.wav' scene transfer "家に帰ってくると、僕はカメラをコンピューターに繋げ、夜に撮った写真をダウンロードし始めた。" scene moonpic "月の写真は良く撮れていた。でも、今の僕には月の写真よりもっと見たい物があった。" "月の写真はさっと飛ばし、あの女性の写真を探した。" play sound 'click.wav' scene transfer "そしてそれらの写真を見た時、ある奇妙なことに気付いた。" scene nogirlpic "彼女はそこには写っていなかったんだ。" "僕のカメラ設定は間違っていなかったはずだ。しかし、そこに写っていたのは、彼女が立っていた後ろにあった砂浜だけだった。" "12以上も写真をとったはずなのに。定めたとおりの背景はちゃんと写っているのに、なぜかそこには人物の影も形も無かった。" "1時間ほど、撮った写真を繰り返し見てまわった。彼女の写真がどこかにまぎれていることを祈って。" "でも、結局見つからなかった。" "彼女のミステリアスな美貌、そして奇妙なこの出来事。僕の胸が騒いだ。" "今日でも、そして1年後でも、カメラレンズから見た彼女の姿は僕の脳裏に焼きついているだろう。" play music 'waves.ogg' scene beach1 nomoon with dissolve "あの夏、浜辺に何度か足を運んでみた。彼女にまた会えることを願って。" "しかし、彼女の姿を見ることはなかった。" # .:. Ending 1 "Nothing to Say" $ ending = 1, "Nothing to Say" $ persistent.unlock_1 = True jump ending label talk_to_her: "彼女はこちらにむかって歩いていた。僕はカメラをしまい、彼女が近くに来るのをじっと待っていた。" "彼女の方に走っていかなかったのは、彼女を怖がらせたくなかったからだ。波越しに、大きな声で呼ぶこともしなかった。" with dissolve scene beach1 show mary dark wistful with dissolve "20分ほどたっただろうか。彼女は話しかけれるくらいの距離まで近づいていた。" p "こんにちは。" "しゃれた言葉はでなかったけど、その時これが僕の頭に浮かんだせいいっぱいのかけ言葉だった。そして、それはうまくいった。" "彼女は立ち止まり、僕を見た。そして、僕の次の言葉を待っているようだった。" p "いい夜だね。暖かいし、暑すぎないし。" "彼女はうなずいたけれど、何も言わなかった。 そして、僕は頭にあった質問を彼女に投げかけた。" p "ここで何をしているんだい?" g "散歩。" p "ただ・・・散歩?こんな真夜中に?" g "Yes." p "どこかに行こうとしているのかい?" g "浜辺に沿いながら、島を散歩しているの。" "島はそんなに大きくない。数時間あれば、一周できるだろう。休息をいれればもう少しかかるかもしれない。彼女と一緒に散歩してみよう。" p "一緒に散歩してもいい?" g "そうしたいなら、どうぞ。" "僕はカメラを一緒に持って行くことにし、三脚とかばんは砂丘に隠すことにした。" "すぐに準備をすると、僕と彼女は一緒に砂浜を歩きだした。" scene beach2 with dissolve "静かな夜だった。歩き出してすぐに、僕たちが最初に出会った場所はずっと後ろに見えなくなってしまった。" "後ろを振り返ってみると、僕たちの足跡が砂浜を続いている。" "散歩は楽しかった。でも、僕にはもっと知りたいことがあった。なぜ彼女はこんな夜遅くにここにいるのか。" p "ええと・・・" show mary dark wistful with dissolve "彼女は立ち止まり、僕の方を見た。" p "何でこんな夜遅くに浜辺を散歩しているんだい?" g "いつもしていることなの。" p "へぇ。いつも?" g "そう、毎日しているの。" p "いつも一人で散歩しているの?それとも誰かと一緒に?" g "いつも私ひとりで。でもたまに、誰かに会うことがあって、一緒に歩いたりもするわ。" g "誰かと散歩するのは今まで数回しかなかったわ。それに、皆あなたほどたくさん色々聞いてこなかったわ。" "僕はなんて答えていいのか分からず、そこに立ち止まってしまった。" show mary dark smiling "そして、彼女は小さく笑った。そして喋りだした。" g "ここで何してるの?" "彼女が僕に興味があるとは思わなかった。だから、彼女の質問に答えるまでに数秒かかった。" "僕が躊躇しているのを見て、彼女はさらに言った。" g "こんな時間に人に会うなんて、お互い思っていなかったでしょう?だから、あなたは何していたの、って聞いているの。" "自分が何をしていたのかを思い出すのに、また数秒かかってしまった。そして、答えた。" p "僕は天文学が好きで・・・ええと、星を見るのがすきなんだ。さっきは月が昇る過程をデジタルカメラで撮影していたんだ。" show mary dark confused wistful "彼女は僕が何を言っているのか分からなかったのか、不思議そうに僕を眺めた。 デジタルカメラなんて皆知っているだろうに。" menu menu_01171024: "彼女に僕のカメラを見せる。": "僕は、彼女に理解してもらう為に、今まで撮ったいくつかの写真を見せることにした。カメラを取り出し、スイッチを入れた。" "最近撮った写真をロードした。たくさんの月の写真だ。." "スクリーンに写真が表示されると、それを彼女に向かって見せた。" "彼女はその写真をのぞきこんだ。そして、振り返り、上にある月を見て、またカメラに写っている月を覗き込んだ。" g "月が・・・とても小さいわ。" "彼女が何を意味しているのか僕にはわからなかった。" p "これで見たら写真は小さいけれど、コンピューターのスクリーンで見るともっと大きく写るんだ。" "説明しようとしたけれど、彼女はますます混乱しているようだった。だから、話の内容を変えることにした。" "彼女に月を見せる。": p "僕は小さい頃から天文学が好きで、月を見ながら全ての海の名前を言うことができたんだ。" g "本当に?" p "ええと・・・実は、もうできない。でも、一つだけなら覚えてるよ。" hide mary "僕は月を指差した。彼女は僕の指が指す方向を眺めた。" p "月の右側をみてごらん。男の子のような跡があるのがわかる?あれが頭、あれが体、そして2本の足。" p "見える?" g "ええ、見えるわ!" "彼女は楽しそうだった。きったこんな風に月を見たことが無いんだろう。" "皆、月を見る方法はまちまちだ。ある人は男性の形が見える、そしてある人は男の子だったり女の子の形が見えたり。うさぎが見える人もいるんだ。" p "ええと、あの体の部分が、静かの海。Neil ArmstrongとBuzz Aldrinがあの上を歩いたんだ。" show mary dark confused smiling with dissolve g "Buzz?音のような?" p "ええと、彼の本当の名前はEdwinといったんだ。でも皆彼をBuzzと呼ぶ。何でかは知らない。" "彼女は何も言わなかった。数秒間、考え込んでいるようだった。" g "ええと、じゃあ月の周りを歩いている人がいるの?" p "もういないよ。最後に月に人が行ったのは70年代だった。それ以来は誰も行っていない。" g "じゃあ誰か月に行ったの?" p "うん。皆アメリカ人だよ。" show mary dark smiling "彼女はこれを聞いて満足げに微笑んだ。" "僕はなんだかおかしいなと思った。彼女は月に着陸した飛行士のことを知らないのか?皆子供の頃に一度は聞いたことのある話だろう。" "でも僕が彼女にこの話を一番に聞かせてあげたということに小さな嬉しさを感じた。" "そして、彼女が話せそうな話題に変えようと思った。" p "この島でずっと育ったの?" show mary dark smiling g "ええ。" g "私が小さかった頃、この島にはこんな家やビルはなかったわ。" g "島にあったのは、畑だけ。とても大きな畑だったわ。" g "この島には、4家族しか住んでいなかったの。そして私たちはこの島全てを所有していた。" g "私の家族も土地を所有していた。南の方の土地を持っていたの。さっき、私たちが会った辺りよ。" g "全ての土地を開拓した訳じゃなかったけど、食べ物を育てるには十分な土地だったわ。それをマーケットに行って売ったりしていたの。" "この島の人口は最近までそんなに少なかったのか。今は観光客が来たりでずいぶん人口も増えたみたいだけど・・・でも、そんなに早く?" p "じゃあ、本土の学校に行っていたの?" g "たまに、船に乗って作物を町に売りに行く時、学校に行ってテストも受けてくるの。" g "でもほとんどホームスクールだったわ。" g "ママが私たちに読み書きを教えてくれて、パパが数学やらを教えてくれたの。" show mary dark wistful g "亡くなる前は・・・" "彼女の顔から微笑が消えた。これは彼女にとってつらい話題なんだろう。" menu menu_2: "彼女に、両親のことを聞いた。": jump asked_about_parents "この話題について話すのをやめた。": jump dropped_it label asked_about_parents: $ family_history = True p "きみの両親のことを教えてくれる?" g "パパとママは、この島が始めて発見されたときに海の向こうからここに来たの。まだ2人とも子供だった頃よ。" g "パパは戦争の兵士だった。終戦を迎えた時、パパはママと結婚したの。そして、本土からこの島にやってきて、家を建てたの。" g "一緒に農作物を作って、そして子供が生まれたわ。" g "私にはお姉さんがいたの。私は真ん中の子供。" show mary dark sad "彼女は一瞬、過去を思い出すように考えていた。そして、話を続けた。" g "私が10歳のころ、伝染性疾病がこの島で発生したの。" g "これに私の家族は感染し、残りの家族たちも感染してしまった。" g "家族皆動けなくなってしまうくらい弱ってしまった。でも、隣家族、ミラー家が助けを求める為に息子たちを本土に送ったの。" "ミラーは僕の叔父と叔母の苗字だ。僕の先祖に関係しているのだろうか。" g "それからどうなったかは分からない。彼らからはその後何も話を聞かなかったわ。" show mary dark crying g "伝染病は1週間にわたって家族を苦しめたわ。ついに、私の姉、妹、そして両親・・・皆・・・" g "私しか生き残らなかったの。" p "ごめん。" "何て言っていいのか分からなかった。家族を無くしたなんて、つらいことだ。" show mary dark sad "彼女はうなずき、涙を拭いた。そして、僕たちはまた静かに歩き出した。" jump walking_again label dropped_it: "これ以上聞いたら彼女は本当に泣き出しそうだった。だから、もう聞くのはやめたんだ。そして、また海に沿って歩き始めた。" label walking_again: scene beach3 with dissolve $ persistent.unlock_dark = True "それからどれくらい経っただろう。1時間か、もっと長かったかもしれない。" "僕たちは、その島に沿ってゆっくりと歩いていた。僕は彼女の何フィートか後ろを歩いた。" "もし彼女じゃなかったら、きっとすでに家路についていただろう。" "でも、なぜかこの女の子のことがとても気になっていた。." "オーロラのような美しさ?悲惨な過去?寂しそうな姿?それらが入り混じった、もっと複雑なもの。" "そうする中、僕たちはこの静かな月光の下を延々と歩いていた。" "そしてとうとう耐え切れなくなった僕は、また新たに会話をはじめようと試みた。" show mary dark wistful with dissolve p "ええと・・・じゃあ君は人生で何かやりたいことってあるのかい?" "数秒間、彼女は何も答えなかった。まるで僕が何か悪いことでもいったように。" "そして、彼女はしゃべりだした。" show mary dark smiling g "以前は、何をやりたいか分かっていたと思うの。" g "もっと若かった頃、私の人生はこれから長く続いていくように思えたわ。お母さんと同じように暮らしていくのだと。" g "何年かは、この農家を手伝い、家事をしていく。そして、学業が終わった頃には、他にももっと色々手伝うことができると思っていた。" g "そして、いつか素敵な男性に出会うの。きっとミラー家の人だったと思うわ。私と同じくらいの年の。" g "私たちは結婚して、自分たちの農場を持つの。" g "そして家族を持つわ。女の子が何人か、そしてずっとほしかった男の子も。だって私には姉と妹しかいなかったから。" show mary dark wistful g "でも、今は・・・" "そして彼女の顔は曇った。そして、話題を変えはじめた。" g "あなたはどうなの?将来、何をしたいの?" "いきなりの質問に僕は驚いた。彼女から質問をしてくるなんて思ってもいなかったし、自分の将来のことについてなんて考えたことが無かったから。" show mary dark smiling "僕が動揺しているのをみて、彼女は少し笑った。" p "ええと、この夏僕は家族と一緒に色々な場所へ行って見るんだ。そして、それが終わったら学校が始まる。" g "学校に行くにはあなたはずいぶん大きすぎるんじゃない?" p "ええと、私立の学校だよ・・・この秋、大学に通うことになったんだ。" p "その後は、特に何も決めてない・・・大学での専攻も、どういったクラスを取りたいかもまだ決まってないんだ。" p "学校に言ってない時は、親と一緒にしばらく住むことになると思う。" p "そしていつか仕事を探して、家から出ることになるのかな。" p "家族を持ったりとかそういうことは・・・ええと、起こってみないと良く分からないな。" p "そんなこと考えたことも無いよ。きっと自分の人生計画が君のようにはっきりしている人の方が少ないんじゃないかな。" p "皆、それを探しているんだ。" show mary dark laughing "その時、彼女は小さく笑った。" p "何かおかしいこと言ったかな?" show mary dark smiling g "ううん。何も。実は、あなたがうらやましいわ。" p "なぜ?" g "だって、自分の人生を好きなように生きれるんじゃない。行こうと思えば何処にだって行ける。" g "色々な選択肢があると、人はおっくうになってしまうかもしれないけれど。" g "でも、それって自由があるってことよね。すごくいいことだと思うわ。" g "将来が見える人生をおくることができるなんていいわ。好きなことができるんだもの。" "僕は、何て言っていいか分からなかった。そして、静かに歩きたいと思った。" "でも彼女は止まらなかった。そして、しゃべり続けた。" g "何か趣味はあるの?" p "いろいろね。絵を描くのが好きだし、音楽を聴くのも。漫画やフットボールを見るのも好き。" show mary dark confused smiling g "フット・・・ボール?" "彼女は静かに言った。まるでフットボールという表現方法を知らないみたいに。" p "うん。フットボール。知ってるでしょ?スポーツの・・・。" "彼女は、知らない、というふうに頭をふった。" p "どうやって言えばいいかなぁ。" p "2つのチームがフィールドにいてさ。一方がボールをもってるんだ。真ん中から始まって、相手側のコーナーを目指すんだ。" p "クオーターバックのプレイヤーはボールを他の選手に投げたり、手渡したり、持って走り抜けたりする。" "僕が話していること全てが彼女を混乱させているようだった。でも、他にどうやって説明していいかなんて分からなかった。だから、僕はそのまま続けた。" p "反対側のチームは、ボールを持った相手側のチームプレイヤーを阻もうとする。もし4ダウンで10ヤード、ボールを動かすことができなかったら、ボールは相手側のチームのものになる・・・" show mary dark laughing "ちょうどこの時、彼女はくすくす笑い始めた。思い返してみれば、僕の説明はちょっと不合理だったかもしれない。" hide mary with dissolve "そして、僕たちはその夜色々な話をした。" "ほとんどの場合、僕が一方的に話をし、彼女はただ聞いていた。たまに彼女は質問をなげかけ、僕はそれにできるだけ答えた。" "彼女はぼくの説明がほとんど分からないようだった。そして僕がとまどい他の説明手段を模索しようとすると、彼女はおかしいらしく笑い出した。" "僕たちは、こんな風にこの夜をすごした。島を散歩している間、話したり、笑ったり。" play music 'softwaves.ogg' scene dawn1 with dissolve show mary dawn smiling with dissolve "そうしているうちに、島の半分まで来ていたようだ。そして、僕たちが出会った崖の近くまで来ていた。" "彼女は崖の下の海に降りようとしていたが、僕は止めた。" show mary dawn confused smiling p "ここに座って太陽が昇るのを一緒に眺めない?" show mary dawn confused wistful "僕がそう言うと、彼女は驚いたようだった。" g "もうそんな時間なの?行かなきゃ!" "僕は驚いた。せっかく仲良くなれたのに、彼女は突然逃げるような態度をとったからだ。" show mary dawn wistful "彼女は僕のがっかりした顔を見て、言い直した。" g "違うの・・・あなたのせいじゃなくて・・・ただ・・・駄目なの。" p "わかったよ。" "僕は何がなんだかよく分からなかったけれど、ただそう答えた。" hide mary with dissolve "彼女が去ろうとしているその時、僕はなにか彼女を引き止めることができることはできないかと色々頭で考えていた。" "そして、ふと、聞き忘れていたことが頭に浮かんだ。" menu menu_3: '"きみの名前は?"': "その夜、彼女に名前を聞かなかったことをふと思いついた。会話なんて、相手の名前を知らなくても何とか続けられるものだったし。" "だから、そのとき僕は彼女に向かって叫んだ。" show mary dawn smiling with dissolve "彼女はふと足を止め、僕の方を振り返った。そして、笑みを浮かべながら" g "メリーよ・・・。メリー・ハーパー!" '"今度いつ会える?"': "そう聞いておかないと、今度いつ会えるかなんて分からないだろう。" show mary dawn smiling with dissolve "彼女はふと考え込み、そして僕に言った。" g "次の、満月の夜に。" p "次の満月?それには一ヶ月もあるよ。その前にまた会えないかい?" show mary dawn wistful g "ごめんなさい・・・それ以外には・・・" p "分かったよ。じゃあ、僕たちが出会った場所で待ってるから!" $ meet_again = True # Fade to bright yellow, then fade to black. scene yellow with dissolve scene black with slowdissolve "その時、すでに太陽が地平線から顔を見せていた。おもわずその眩しさに僕は目をつぶった。" "日の出は今まで何度も見てきたけど、こんなに眩しく感じたのは初めてだった。" scene dawn2 with dissolve $ persistent.unlock_dawn = True "目を開いた時、すでにそこに彼女の姿はなかった。" "なぜ行かなければいけなかったのか、そしてどうやってそんなに早く姿を消すことができたのか。そして、どこへ行ったのか。僕には全く分からなかった。" "唯一つ、分かっていること。それは、もう一度彼女に会ってみたい、という思いだった。" if meet_again: jump second_day label ending2: "彼女の名前が分かった今、何か他に分かることが無いかどうか、僕はインターネットで調べてみた。" "そしてやっぱり、 \"メリー・ハーパー\" という名前は何千件もヒットした。" "そして、それから地域に絞って調べていくうちに、結局何も見つけることはできなかった。" "オンラインの電話帳によると、 \"ハーパー\" という名の人はこの島に住んでいないということだった。" play music 'cars.ogg' scene library with dissolve "しばらく仮眠をとった後、図書館に行き彼女について何か分かることはないか調べてみることにした。" "彼女はこの辺の出身だ、と言っていたから、北砂島の歴史の本を手にとって見た。" if family_history: "伝染病で死んだ家族のことは、きっと何かの記録に残っているはずだと思ったんだ。" "その本によると、この島に \"ハーパー\" という家族がいたのは1780年代ということが分かった。" "1790年には、その伝染病により島の住人は全て病死した。そして、島を逃げてきた少数の男の子達によってその話は受け継がれてきていたのだと。" "その後、島はずっと無人島だったらしい。再度人が住み始めたのは南北戦争の後になってからだということだった。" if family_history: "その物語は、まるでメリーが体験したものと非常に似ていた。" "父、母、そして3人の娘は、病気によって全滅した。" "この島に住んでいた人々と同じように。" "でも、この本に書かれているのは何百年も前のことだ。偶然に決まっている。" "この本には、それ以上目新しい情報は載っていなかった。そして、僕はそれ以上調べることをあきらめてしまった。" else: "本をすみからすみまで読み、その後この島に住んでいた住人の記録を見ていった。" "何時間も検索してみたが、ハーパーという名前の住人を見つけることはできなかった。" play music 'waves.ogg' scene beach1 nomoon with dissolve "その夜、もしかして彼女にまた会えるかもしれないという期待を胸に、僕はまた浜辺に足を運んだ。" "その夜、僕はずっと浜辺にいたけれど、結局彼女は現れなかった。" "次の夜、もう一度トライしてみた。そして、その次の夜も。結局、2週間ずっと浜辺に行ってみた。" "でも最初に彼女に出会った夜以降、彼女に会うことは無かった。" "彼女のことはずっと忘れることができない。" # .:. Ending 2 - History. $ ending = 2, "History" $ persistent.unlock_2 = True jump ending label second_day: "月が次の満月になるには29日かかる。そして、彼女に会うために、僕は次の満月を待たなくてはいけなかった。" "その間、ずっと彼女のことを考えていた、というと良い話かもしれないけど、そうはしていなかった。" "色々やっていたけど、今になって思い出そうとしてもあまり思い出せない。" "でも、時々彼女の顔や笑顔が頭に浮かんだ。" "なぜ彼女の名前を聞きそびれてしまったんだろう。僕は自分に対して苛立ちを感じた。" "毎日、月をそわそわしながら確認した。ちゃんと満月の夜にあの場所に行けるように。" play music 'waves.ogg' scene beach1 with dissolve "そしてついに、その夜は来た。そして前と同じように、僕は浜辺に立ち、月を見上げていた。" g "長い間待っていたの?" show mary dark smiling with dissolve "僕は振り返った。そこには、彼女がいた。" g "まさか本当に来てくれるなんて、思っていなかったわ。今まで誰とも2度続けて会ったことは無かったの。" p "だって、ちゃんとここでまた会うって言っただろう?" g "そうね。" p "僕は言ったことはちゃんと守るよ。もしここに来る、って言ったならちゃんと来るさ。" p "それに、君にまた会えるのなら、どんな男性だってがんばるさ。" p "それとも、僕が言ったことが聞こえてなかった?この前、君はあんなにそそくさと行ってしまったんだから。君の名前を聞くこともできなかった。" g "メリーよ。" m "メリー・ハーパー。" p "そうか、メリー・ハーパー。また会えて嬉しいよ。一ヶ月ぶりだ。" show mary dark wistful m "私も会えて嬉しいわ。でも、なんだか昨日会ったばかりな気分だわ。" "彼女の言いたいことが良く分からなかった。だから、僕は素直に思っていたことを言ってみた。" p "きみに会うまで、今月は毎日きみの事を考えていたよ。だから、僕も君と会ったばかりのような気分だ。" show mary dark smiling m "そうね・・・私、よく分からないけれど・・・でも、嬉しいわ。優しいのね。" "僕は、なんて言って良いのか分からず、そのまま黙っていた。" "そして、僕は浜辺に沿ってまた歩き始めた。そして、彼女も一緒に歩き始めた。" scene beach2 with dissolve "しばらくすると、メリーは話し始めた。そして、僕にこんな質問を投げかけてきた。" show mary dark smiling with dissolve m "この前、私の家族についてすこし話したけれど・・・あなたには聞かなかったわ。あなたの家族はどんな人達なの?" p "僕がこの島にいる間は、叔父さんと叔母さんの家にいるんだ。でも、僕の家ではお父さん、お母さん、そして女兄弟と住んでいる。" m "女兄弟?お姉さん、それとも妹?" p "僕より2つ年下だよ。" m "彼女とは仲が良いの?" "どうやって答えようかちょっと考えたけれど、素直に思ったことを言ってみた。" p "あんまり。猫と犬みたいにいつもけんかしてる。" show mary dark laughing "かのじょは優しく笑った。" show mary dark smiling m "どんなことでけんかするの?" p "いつも違ったことで。僕と妹を同じ部屋に入れれば、必ずといっていいほどけんかしてしまうね・・・いつも。" "僕と妹のけんかの話ばかりする訳にもいかなかったから、会話を変えようと思った。" if family_history: p "お姉さんや妹とはどうやって仲良くしてた?" show mary dark wistful "と質問をした後、後悔した。この前彼女が家族について話した時、つらそうだったから。" show mary dark smiling "でもこの時、彼女は楽しそうに話し出した。" m "私のお姉さんや妹は・・・本当に最高の友達だったわ。" m "家が小さかったから、皆とても仲が良かったの。" m "私が7歳になるまで、皆で同じベッドで寝ていたのよ。" m "それに、何でも一緒にしたわ。家の手伝いも、皆協力しながらやってた。だから何でも早くかたづけることができたの。" p "よく一緒に遊んだの?" m "ええ!パパが私たちの為にドールハウスを作ってくれたわ。ママが人形を作ってくれたし。それで皆で遊んだの。" m "ドールハウスで遊んだ時、カレンはお父さん役、私はお母さん役。アリスは娘役をやったわ。" m "よく歌ったり、笑ったりした。もう、そんな風に笑うことはできなくなってしまったけど・・・" show mary dark wistful m "先月会って以来。" "彼女はなんだか悲しそうな口調になってしまったから、そこで話題を変えることにした。そして、海岸に沿ってまた歩き始めた。" else: show mary dark confused smiling p "あそこを見て!" hide mary "僕はそう言って、浜辺を駆け下りた。" "彼女は僕を追ってきた。" "しばらくして僕は速度を落とし、彼女に僕を捕まえさせた。" show mary dark laughing with dissolve m "つかまえた!" "彼女は笑いながら、僕のシャツを掴んだ。" hide mary with dissolve "そして僕たちはまた浜辺を歩き始めた。" scene beach3 with dissolve "夜が更けると共に、僕たちは色々なことについて話した。本当のことを言うと、何をしゃべったかはあまり覚えていない。" "とにかく、センセーションだけが僕を包んでいた。" "海の風に漂う塩の匂い。" "浜辺に打ち上げる波の音。" "月光が彼女の白い肌を照らしていた。" "岩につまずいてころんだときの砂の感触。" "僕を助け起こしてくれたメリーの暖かい手。" show mary dark wistful with dissolve m "大丈夫?" p "うん。砂はやわらかいから。" show mary dark smiling m "よかった。何につまずいたの?" p "岩か何かだと思う。" "後ろをみると、たくさんの岩が転がっていた。これらのどれかにつまずいたらしい。" m "気をつけてね。怪我をしたらやだわ。" "僕はうなずき、岩を横目にまた海辺を歩き出した。 その時、何か金色に光るものが僕の視界に飛び込んできた。" "そこに駆け寄り、僕は掘りだした。数秒後、メリーも近くに寄ってきた。" show mary dark confused smiling m "何か見つけたの?" p "いいや・・・" "と言いかけたその時、そこにあるものを見つけた。" "そこには金の指輪があった。僕はそれを拾い、メリーに見せた。" p "指輪だ。" "指輪をよく見てみた。それは、本物の金ではないような強い輝きを放っていた。そして、傷がいろいろついていて、ところどころはげていた。" "僕はその指輪を、メリーがよく見えるように見せた。" show mary dark smiling m "綺麗ね!" p "本物じゃないよ。元々は鉄のものに金のコーティングがしてあるだけだよ。" m "でもとても綺麗だわ。" p "そんなに気に入ったなら、あげるよ。" show mary dark vhappy m "いいの?" p "もちろん。" m "じゃあ指にはめてくれる?" "彼女がそういって手をさしだした。僕は何も言わず、その手をとって指に指輪をはめてあげた。ぴったりだった。" m "ありがとう!" hide mary with dissolve "そう言って、彼女は僕の腕をにぎった。そして、一緒にまた浜辺を歩き始めた。" play music 'softwaves.ogg' scene dawn1 with dissolve "時間はたち、気がついたらまた1ヶ月前に出会った場所まで戻ってきていた。" p "今度は一緒に日の出を見れる?" show mary dawn wistful with dissolve m "ごめんなさい・・・できないの。" p "ええと、じゃあ今度はいつ会える?" m "満月の夜にしか会うことはできないの。" "彼女がそう言うだろうと僕は何となく分かっていた。でも、やっぱりちょっとがっかりした。あと一ヶ月、彼女に会わずになんていられない。" p "なんで?その前に会うことはできないの?" m "だって、私はゴーストだから。" "彼女は、まるで普通のようにそういった。まるで、ゴーストが珍しいものではないかのように。" "何て返答していいのか分からず、僕は沈黙しながらそこに立ちすくんでしまった。" "そして、メリーはこのことについて話し始めた。" m "私が死んだ後、私はゴーストになったの・・・私は家族が死んだ時に一緒に死んだの。この島を襲った病気で。" m "なぜだか分からないけれど、気がついたら満月の夜にこの浜辺にいたの。" m "そして、次の満月の夜も、その次の満月の夜も。 そして、なぜか満月の夜にはいつもここに現れてしまうの。" m "満月の夜だけには、好きなように動けるの。でも、日が昇ると同時に、全てが暗くなってしまう。そして、気がつくとまた次の月になっているの。" m "こんなことがもう100年以上も続いているわ。" m "しばらくは何もすることがなかったのだけれど・・・時がたつにつれて、この島に人が来るようになったわ。そして、人にたまに出くわしたりするの。あなたに会ったように。" m "しばらく話をしたりしたわ。皆、私がゴーストだということに関心を持ったみたい。" m "そして皆去っていった。私が話すことがないからかもしれないわ。" show mary dawn confused wistful m "そういえば、あなたは気付かなかったの?私をゴーストだとは思わなかった?" menu menu_4: '"もちろん、知ってたよ。"': "日の出と共に姿を消したり、最近起こった出来事をまったく知らなかったり・・・確かに、ゴーストではないか、ということは大いにありえた。" "でも、彼女がそう告白することで、全てが本当だということが分かり、その現実を受け入れるしかなかった。" '"思って無かったよ。"': show mary dawn smiling m "思わなかったの?皆、いつも最初に会った夜にそう思ったみたいだけど。" m "私がゴーストだからという理由で、皆興味心でまた会いに来てくれていたのよ。" show mary dawn vhappy "彼女は静かに笑い、そして何かを思ったようだった。" m "じゃあ・・・私がゴーストだと知らないでまた曖に来てくれたの?" m "ただ私と一緒になりたかったから、来てくれたの?" "僕は何て答えてよいのか分からず、しばらくの間ただそこに立ちすくんでしまった。" show mary dawn wistful "そして、沈黙の後彼女はしゃべりだした。" m "もうすぐ日が昇るわ。そろそろ行かなければ。" p "行くなよ。" show mary dawn confused wistful m "でも・・・" hide mary with dissolve "僕は彼女の手を掴み、引き寄せた。" p "僕と一緒に日の出を見よう。" "それから僕たちは何も言わずに、そこに立ちすくんだ。手をつなぎながら、日が昇るのを見つめていた。" "僕の右手が彼女の左手を握ったまま、僕たちは海の向こうを見つめていた。" scene dawn2 with dissolve "そして太陽が顔を出すとともに、僕の右手には何もなかった。" "彼女のいた場所を見ると、そこには何もなかった。" p "彼女は本当にグーストだったのか。" "そう僕は誰に言うのでもなくつぶやいた。彼女は確かにそう言った。そして、僕も彼女を信じた。でも、彼女が本当に消えるまで、ずっと疑っていた。" "僕はその朝、崖の上に立ち、そのことをずっと考えていた。" menu menu_5: "そして、思った。" "彼女を自由にしてあげないと。": jump ending3 "しょうがない。": jump ending4 ############################################################################## # Ending 3 label ending3: "メリーはあんな状態で100年以上も縛られているんだ。満月の夜だけ姿を現すことができる呪いと共に。" "そして彼女への思いとは裏腹に、彼女に新しい場所を見つけることを手助けしてあげなければならないと感じていた。" play music 'cars.ogg' scene library with dissolve "次の月、僕は島の小さな図書館でリサーチにふけっていた。" "棚にあった関連書は全て読みあさった。ゴースト、魔法、魔女・・・全て。" "1日に2-3冊は読んだだろう。" "島の図書館にあった本を全て読み終えた後、さらに本土の方からも本を取り寄せた。" "その図書館のスタッフみんなが僕の名前を知るまでになってしまい、彼らは僕がオカルトマニアの大学生だと思っていたようだ。" "これらの本は殆ど作り話のようだったが、その素になっている話には少しでも真実が隠されているようだった。" "全ての本に共通している内容を見つけることで僕は真実を突き止めようとしていた。" "そして次の満月の夜、今まで学んだことを試す時が来たんだ。" play music 'waves.ogg' scene beach1 with dissolve show mary dark smiling with dissolve "僕は、彼女と2晩会ったその場所に立ち、波打ち際を眺めていた。" "メリーはここで、僕を待っていたんだ。" m "戻ってきたのね。" p "あのあと、きみを放っておく訳にはいかなかったんだ。" "彼女はなにも答えなかった。" p "ええと、今夜は何をする?" m "いつも、今まで私たちがやってきたように、浜に沿ってこの島を散歩するの。" p "わかった。じゃあ、君をエスコートしていいかい?" m "もちろん。" hide mary with dissolve "彼女は僕の腕を組み、僕たちはいつものようにその島に沿いながら歩き出した。" scene beach2 with dissolve "この時、僕たちはあまり話しをしなかった。ただ、そこにお互い一緒にいるということだけで十分に感じた。" "彼女の暖かい肌の体温とは裏腹に、冷たい空気が漂っていた。" "ゴーストが暖かいと想像したことがあったかい?" "僕たちは、何気ない会話を何度か交わし、そして時間は過ぎていった。" "しかしほとんど会話はしなかった。この前のことがあまりにも衝撃的すぎて、まるでただ時が過ぎるのを待っているかのようだった。" "そしてがまんできず、ついに僕はずっと思っていた質問を彼女にすることにした。" show mary dark smiling with dissolve p "メリー、今までしたかったけどできなかったことってあるかい?" "僕が山のような本から学んだこと。人は、この世に何か未練があるとゴーストになるということだった。" show mary dark confused smiling m "どういう意味?" p "よくわからないけれど・・・何か、君がやりたかったけれど、できなかったことはないのかい?" show mary dark wistful "彼女はこれについて少し考え込んだ。" "そしてついに、聞き取れないほどの小さな声で答えた。" m "お嫁さんになってみたかったわ。" "そうだと思った。" "メリーがやってみたかっただろうと思ったことをいくつか考えていたんだ。そして、これは僕が考えていた答えのひとつでもあった。" "彼女の夢は結婚することだったんだ・・・彼女の今着ているドレスもウエディングドレスに見えないこともなかった。" "もし僕が彼女を愛しているならば、することはただ一つ。僕はそこにひざまずいて言った。" p "メリー・ハーパー。僕と結婚してくれる?" show mary dark confused wistful "彼女はびっくりしたようだった・・・そして、そこに数秒何も言わずに立ちすくんだ。そして、言った。" m "本当なの・・・本当に私と結婚したいの?" p "もちろん本当だよ。" show mary dark vhappy m "それなら・・・いいわ!" show mary dark confused smiling "僕は立ち上がって彼女を抱きしめた。でも彼女はまだ動揺しているようだった。" m "でもどうやって?私は夜しか現われることができないし、牧師さんだってまさかゴーストとの結婚を認めるわけにはいかないわ。" p "心配しないで。事実婚をすればいいんだよ。" m "事実婚?" p "僕たちが結婚した、っていってお互いに誓えば、結婚したことになるんだよ。" show mary dark vhappy m "本当に?じゃあいつ結婚できる?" p "君の準備ができているなら、今ここで。" m "いいわ!" p "ならそうしよう。" "僕はポケットから用意しておいた誓いの言葉が書かれた紙を取り出した。" show mary dark smiling "まるで牧師のように振舞おうと、声をはっきりさせて読み始めた。" pm "あなたは、この女性をあなたの妻として、苦しい時も、楽しい時も、ふくよかな時も、貧しい時も、健康な時も、病気の時も手を取り合って生きていくことを誓いますか?" menu menu_ido: '僕は普通の声で、返答した。' '"誓います。"': pass "僕はメリーの方を向き、誓いの言葉を続けた。I turn to Mary and repeat the vow for her." pm "あなたは、この男性をあなたの夫として、苦しい時も、楽しい時も、ふくよかな時も、貧しい時も、健康な時も、病気の時も手を取り合って生きていくことを誓いますか?" m "誓います。" "そして僕たちはそこに数秒の間無言で立ち、そして続けた。" p "ええt、これで終わりだ。僕たちは今夫婦だよ。あとはキスするだけだ。" "彼女は僕に近づき、抱きしめた。" scene black with dissolve "僕は彼女のキスを待ち、目を閉じた。" m "ありがとう。" "彼女のささやきが聞こえた。そして、唇に暖かいものを感じた。" "そしてすぐ、それは冷たい空気と化してしまった。" scene beach2 with dissolve "僕が目を開けると、ただ一人だった。" $ renpy.music_start('frogpond.ogg') scene littlemary lm "ええ~!" "僕の孫がそういって話を止めた。" lm "お婆ちゃん以外の人とキスしたの!" lm "そして、お婆ちゃん以外の人と {i}結婚{/i} したの!" p "ええと、だってそれはお婆ちゃんに会う前のことだよ。" p "でも、そのおかげで僕はお婆ちゃんに出会うことができたんだよ。彼女は図書館でインターンをしていたんだから。" p "そして、その後メリーを見ることはなかった。" "彼女は納得いかないようだ。" lm "それは本当の話なの?" p "もちろんだよ。" "彼女は答える前にちょっと考え込んだ。" lm "信じないわよ。他のお話をして!" p "今夜はだめだ。もうすでにベッドタイムを過ぎているじゃないか。" lm "でも!" p "でもじゃない。さあ、寝る時間だ。" scene black with dissolve "僕はライトをけした。彼女が眠れるように。" "そうでもしないとこの子は一晩中ずっと起きているだろう。" "孫の名前はメリー。それは義理の弟に病院で僕が提案した名前だった。" "僕の孫はあの数ヶ月間、月光に照らされた海で出会った女の子と同じ名前になったんだ。" # .:. Ending 3. $ ending = 3, "Married for Moments" $ persistent.unlock_3 = True jump ending ############################################################################## # Ending 4 label ending4: play music 'waves.ogg' with None scene beach1 show mary dark wistful with dissolve "一ヵ月後、僕は浜に戻った。そして彼女はもう僕を待っていた。" p "やあ。" m "おかえりなさい。私に何か質問があるんじゃない?皆がそうしたように。" p "僕はないよ。" show mary dark confused wistful "これを聞いて彼女は立ち止まった。" m "何も質問がないの?私が何かなんてあなたには関係ない?" p "君が何か?いったいどういうこと?" m "わかるでしょ・・・ゴーストよ。" p "君は僕にとってそんなんじゃないよ。" show mary dark confused smiling p "君は、僕にとってただ一緒にいたい女性なんだ。愛する女性だよ。" show mary dark smiling p "君がゴーストだったとしても、僕がレプラカーンだったとしても関係ない。" p "全て、どうでもいいことだよ。" p "大切なのは、君が君であって、僕が僕であることだ。" hide mary with dissolve "そして僕は歩き出した。彼女はこれを聞いてびっくりしたに違いない。そこにたったままのようだった。" "僕は振り返り、聞いた:" p "一緒に来るかい?" show mary dark vhappy with dissolve m "ええ!" "彼女は叫び、僕の後を走ってついてきた。" "二人はまた、月光の下で海に沿って歩き出した。" hide mary with dissolve "その夜から、僕たちは毎月、満月の夜一緒にすごした。" "大学に行ったあとも、月に一度島を訪れ、彼女と時間をすごした。" "僕の最初の就職先は本土だったけれど、島のすぐ隣に位置したところだった。メリーに会いに行くその日は、休みを取った。" "それからお金を貯め、彼女と出会った浜のすぐ隣に家を買った。" "僕はその家に住みながら、ソフトウェアコンサルタントとして働いた。収入はまあまあだった。でも、僕にとって一番大切なのは、満月の夜に時間を持つことだった。" "一晩も逃したことはなかった。晴れていようが、雨が降っていようが。ハリケーンが来た時だって僕は行った。" "メリーが昔、好きなことを選べる人生は良いわね、と言ったけれど、今僕は好きなように生きている。彼女と人生を歩むことだ。" "一緒に誕生日も祝った。僕のは70回、彼女のは2回。一緒にいなかった夜はなかった。" "今夜までは。" $ renpy.music.play('heartbeat.wav', loop=True, fadeout=.25) scene hospital1 with dissolve # Music heartbeat "僕は死ぬんだ。" "しょうがないよ。僕はもう88歳だ。寿命なんだよ。" "心臓が持ちそうにない。医師にはこういう時に何もしないようにと言ってあるんだ。" "何か後悔することはあるか?いいや、何もない。" "結婚もせず、子供もいないことを哀れむ人もいるかもしれないけれど。" "でも、僕にとってメリーだけで十分だった。たとえ結婚していなかったとしても。" "それに、自分のビジネスで稼いだお金を、妹の子供達や孫達の学費に使うことができた。そして、それでもまだあまるくらい財産を残すことができたんだ。" "僕の残せるものは残したんだ。僕の家族もそれで幸せになれたらいいことだ。" "一つだけ後悔することがあるとしたら、もう今夜からメリーに会えなくなることだろう。" "満月の夜だ。でも、僕は病院のベッドに横たわり、動くことができない。" "終わりが近づいている。" "目の前がかすみ、集中しようと思っていても体力が抜けていく。" # Stop music $ renpy.music.queue('heartbeat.wav', loop=False) "心臓の鼓動が少しずつ弱まっていくのが分かる。" # Play 1 heartbeat. $ renpy.music.queue('heartbeat.wav', loop=False) "鼓動が・・・" # Play 1 heartbeat. $ renpy.music.queue('heartbeat.wav', loop=False) "・・・鼓動が・・・" "..." "......" "そして、それは完全に止まった。もう終わりがすぐそこに来ていることが分かった。" scene hospital3 with slowdissolve "一人で迎える覚悟はあった。でも、メリーが隣に立っていることに気付いた。" "なぜだか分からない。でも・・・確実に、彼女はそこにいた。" m "大切なのは・・・私達が一緒にいられることよ。" scene heaven with slowdissolve "世界が白くなり、何年もの時間が過ぎ去るのを感じた。" "ただひとつ見えるもの。それはメリーだった。でも、なぜか彼女は僕から歩き去ろうとしている。" "数秒後、彼女は僕の方を振り返り、聞いた:" m "一緒に来る?" "僕は走って行き、彼女の手を掴んだ。" "僕達は一緒にその光の中に身を投じた。" scene white with slowdissolve # .:. Ending 4. $ ending = 4, "Together, Into the Light" $ persistent.unlock_4 = True jump ending